読売ジャイアンツピッチングコーチの桑田真澄さんはピッチャーにとって『最も重要なのはコントロールだと考えている。』と仰っています。

<参照>NTT SPORTS BRAIN SCIENCE PROJECT『SPECIAL CONTENTS【実践】桑田真澄さんに聞く、勝てる脳と身体のきたえ方』(最終閲覧日2021.08.30)
http://sports-brain.ilab.ntt.co.jp/sc_k2_1.html

NPBでの活躍を経て、MLBでも登板経験のある桑田さんが言うのだから間違いないと思います。

いくら球速が速くてもストライクが入らなければ試合で投げることはできないですが、球速が遅くてもコースに投げ分けられるピッチャーなら試合で活躍できる可能性があります。

ピッチャーをやる上で欠かせないコントロール

今回はコントロールを上げる6つのポイントを徹底解説していきます!

①ボールを前で離す

リリースが早いと体の横でリリースすることになります。

右ピッチャーであれば右バッターボックスに向かってリリースしてしまうことになります。

体の横でリリースすると、回転数は出やすいですが、そもそもストライクゾーンではないところに向かってリリースしているため最後に手首などで調節することになり、回転軸が悪くなったりコントロールの精度が落ちてしまいます。

体をしっかり回旋させて、前で離すことでストライクゾーンに向かってリリースすることができるのでコントロールが安定するため、ボールを前で離すことはコントロールの精度を高めることができると言えます。

また、前で離すことによりバッターまでの距離が近くなるためバッターの体感スピードも上がり、打ちづらくなる。という利点もあります。

ボールを前で離す方法はこちらのブログでも解説しておりますので、ぜひ合わせてお読みください。

【投手必見!】リリースポイントを前にする方法!

②下半身の安定

下半身がブレていたらコントロールが悪くなってしまうのは想像できるのではないでしょうか?

土台がしっかり安定せずにブレてしまうとその上の部分もブレてしまいますよね。

左右や上下にブレず、まっすぐホーム方向に体重移動をするということがコントロールアップに繋がる下半身の動きになってきます。

下半身の正しい使い方はこちらのブログに掲載しているので合わせてご活用ください。

投球における【正しい】下半身の使い方

③トップを作る

コントロールを安定させるにはトップをしっかり作ることが大事になってきます。

スタート位置がバラバラではゴールの位置も変わってしまいます。

一般的に正しいトップの位置は肩の直線上まで肘が上がった位置だと言われています。

トップをしっかり作らずに投球すると、肘や肩を痛める原因にもなるのでトップをしっかり作ることは非常に大事です。

④腕のしなり

一見、腕のしなりとコントロールには直接的に繋がりはなさそうですが実は深い関係性があります。

上腕や前腕に力を入れる投げ方では腕のしなりが出ません。

この上腕や前腕に力を入れる投げ方でコントロールしようとするとわずかな力加減のズレによってボールのコントロールにもズレが生じます。

腕のしなりが出ているということは上腕や前腕の力でコントロールしていない投げ方になっているので、コントロールも比較的に安定する投げ方になります。

腕のしなりについてはこちらの記事も合わせてお読みください。↓

【球速UP基礎】少年野球で出来る「腕がしなる」ボールの握り方と手首の使い方

⑤手首を使わない

キレダスの体験会でも必ずお話させていただくのですが、手首の角度が1°ズレるとホームまでに20~30センチのズレが起きてしまいます。

例えば、右バッターの外角に投げようとして 20センチ内側にズレるとちょうど真ん中のコースに入ってしまいます。

手首の角度でコントロールするのは再現性が低くなったり、肘に負担がかかって怪我をする可能性があるので手首でコントロールしようとすることは絶対にやめましょう!

⑥習うより慣れる

これを意識すれば狙ったところに投げられる。という感覚は人それぞれにあると思います。

本当に人それぞれだと思うのでまずは自分のその感覚を見つけてみてください。

試合での投球となると、走者の有無、疲労感や体の張り具合、マウンドの傾斜や土の掘れ方、ボールの汚れ方や天気、緊張して力が入りやすい場面、逆に気が抜けるような場面など様々なことに影響されると思います。

まずは再現性の高いフォームを身につけ、いつでも狙ったところに投げられる。狙ったところに投げるということに慣れておくことが大切です。

そうはいっても、1日に何百球も投球練習ができるわけではありません。

普段のキャッチボールから一球一球丁寧に考えながら投げることがコントロールを良くするための一番の近道なのではないでしょうか!?

最後に…

桑田さんは次のように仰っています。

僕がコントロール良く投げられるのは、常に同じフォームで投げているからだと思っていたんです。

ところが去年、ある実験で、僕を含めて、数人のピッチャーの投球を超高速カメラで調べたところ、驚くべき結果が出たのです。被験者の中に、一人だけリリースポイントがばらついているピッチャーがいたんですね。ほかの人はほぼ一定のタイミングと位置で投げているのに、一人だけリリースポイントがばらついていたので、思わず「これ、誰のデータ?」と聞いたのです。すると、「桑田さんの結果ですよ」と。「いやいや、そんなはずはないだろう。何かの間違いだろ?」と言ったのですが、何度確認しても僕のデータに間違いないことがわかりました。

僕自身は大変ショックだったんですが、よく考えてみると、それはある意味、大きな発見でした。つまり、柏野さんが言われたように、ゴールを一定にするために、体重移動のタイミングがずれたとか、マウンドが掘れていて前足の着地が滑ったという変化を勘案して、無自覚的にリリースポイントを調整していたということなんですね。

<参照>NTT SPORTS BRAIN SCIENCE PROJECT『SPECIAL CONTENTS【実践】桑田真澄さんに聞く、勝てる脳と身体のきたえ方』(最終閲覧日2021.08.30)
http://sports-brain.ilab.ntt.co.jp/sc_k2_1.html

私もコントロールが良いピッチャーというのはリリースポイントが同じだと思っていたのでこちらの記事を読んだときには非常に驚きました。

もちろんこれは桑田さんの能力なので、一般的にコントロールが良いとされている選手全員がこのように無意識にリリースポイントを調整しているとは限りません。

ですがコントロールの良い選手は少なからずこのような能力があると思います。

普段のキャッチボールからしっかりと狙ったところに投げる練習ができていますか?

いつでも狙ったところに投げられるという自信があれば、ボール球が先行しても焦らずに自分のピッチングで勝負することができると思います。

基本のフォームを固めた上で、日々の様々な場面での投球練習でコントロールを磨いてください!

〈参考文献〉
・坂井伸之:理論物理学が解明!究極の投球メカニズム、株式会社彩図社、2021年8月18日
・川村卓、井脇毅:打者を打ち取るストレートの秘密、辰巳出版株式会社、2021年5月1日