球速を上げるために様々な要素が必要と言われていますが、下半身を使うことも、体幹を使うことも結局はリリースの瞬間に一番速く腕を振り、ボールに力を伝えるために行っている動きです。
腕の先端、つまり指先が振られる速度が一番球速につながってくる動きであり、腕の速度、指先の速度が速ければ速いほど球速も出やすくなります。
では腕を速く振るためにはどうしたら良いのかいくつかのポイントを書いていきたいと思います。
【 目次 】
そもそも腕ってどこからどこまで?
Webilo辞書(https://www.weblio.jp/)には、
「人や猿の、肩から手首までの部分。また、手の部分も含めていう。」と記載がありました。
「肩を振る。」という言い方はしないと思うので、投球の場面での「腕を振る」という言葉で表している腕の部分というのはいわゆる「前腕」の部分のことを指しているのだと思います。
加えて、「前腕」とは肘から先のことを言います。
投球においてはこの肘から先の「前腕」の動きを速めることで球速が上がります。
肩関節の動き
冒頭で述べたように、腕を速く振るためにはそれ以前の動きが非常に重要になってきます。
特に腕と体幹部分を繋いでいる肩の関節、肩甲骨の動きが大切です。
肩関節には、「内旋」と「外旋」という動きがあります。
腕を肩の高さにあげて肘を90°に曲げた状態で、前方に倒すと、肩関節が内旋し、後方に倒すと外旋した状態になります。
まずはこの2つの動きを覚えておきましょう。
外旋から内旋
肩関節の外旋から内旋への動きは人の動きの中で最も速い動きになります。
バレーボールのアタックやテニスのサーブ、もちろん投球や送球の動きにもこの外旋から内旋の動きが入ります。
特に上半身を使うスポーツ、特に球技にはこの動きが入っていることが多いです。
速い動きができるということは、腕を速く振るヒントが隠されていそうですね!
回内と回外
真ん中の写真の状態から手のひらを下の向ける動きを回内といいます。
逆に手のひらを上に向ける動きを回外といいます。
この腕を捻る動きも腕を速く振るということにおいて大事なことになります。
より内旋の動きを速めるために
先程、回内と回外の動きの説明をしました。
回内の動作をさらに強めると、小指が上に来るところまで捻ることができると思います。
回外で手のひらを下に向けた状態で腕を前に伸ばしたときと、回内させて小指が上に向いた状態で腕を前に伸ばしたときだと、どちらのほうが腕を前に出すことができますか?
回内させているときにのほうが腕が前に出てくると思います。
これは、腕が回内することで上腕二頭筋が緩み、肩甲骨が外転するために起こる現象です。(○の部分が肩甲骨)
投球で腕を振る際にもこのようにしっかり回内させることができると、腕を加速させる範囲を大きく取ることができます。
(投げ終わりにしっかり回内できている)
腕を加速させるために大切な外旋の動き
腕を加速させる範囲を大きくすることで、腕を速く振ることができます。
さらに加速させる範囲を大きくするためには肩関節の外旋も重要です。
この外旋の動きは腕のしなりと呼ばれているものです。
しっかり腕のしなりを使って投げることで腕を速く振ることができます。
腕のしなりは前腕の脱力や胸郭をしっかり使うことでもさらに生み出すことができます。
シングルプレーン・ダブルプレーン
肩の内旋を速めるためには肩からボールまでがほぼ一直線のラインにあることが重要です。
ボールをリリースする瞬間に
肩からボールまでが一直線になっている投げ方をシングルプレーン。
そうなっていない投げ方をダブルプレーンといいます。
あくまでもリリースの瞬間にどうなっているかなので、リリース前後の形はシングルプレーン、ダブルプレーンとは関係ありません。
右側の図がシングルプレーンです。
シングルプレーンは肩からの軸がまっすぐ一直線なのでより速く肩甲骨を内旋することができます。
そして、肘への負担も少なく、怪我のリスクが低い投げ方です。
一方左側はダブルプレーンで、肘の怪我をする選手の殆どがこの投げ方になっています。
シングルプレーン、ダブルプレーンの説明はこちらの動画でわかりやすく解説しているのでぜひご一緒にご活用ください。
最後に…
今回は腕を速く振るために大事なポイントを書きました。
腕を速く振るためには、肩の関節や腕の動きも重要になってきます。
正しい動きの知識をつけた上で、さらに肩や腕の可動域を広げるためのストレッチなどを行っていくことで、より腕を加速させることのできる範囲を広げ、腕を速く振ることができるようになります。
さらに、肩の柔軟性を上げることは怪我の予防にも繋がります。
肩の可動域を広げるストレッチはこちらの動画から見ることができるのでぜひ試してみてください。
投球に関するケガの予防についてはこちらのブログもご一緒にご活用ください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。