「この子、伸びそうだな」そう感じる選手には、ある共通点があります。
特別な才能や難しいことが出来ている事ではなく、むしろ“基本的な動作”がしっかりしている”ことがポイントです。
今回は、野球を始めたばかりの小中学生において、投球・送球の技術がグンと伸びやすい子に共通する“4つの重要ポイント”をご紹介します。
指導者や保護者の方が選手の成長を見守る際、ぜひ最初にチェックしてほしいポイントです。
1.ボールが自然に正確に握れる子
【ボールが握れている】ことは、投球フォームやコントロールを安定させるための“基礎”になります。
特に4シーム(ストレート)の正しい握り方が自然にできている選手は、回転やスピードも安定しやすく、成長のスピードも早くなります。

ポイントは、縫い目にしっかり指がかかっていること、そして指と指の間に適度なすき間があることです。
しかし実は、「正しい握り方ができていない子」が意外と多く、フォームや投げ方の悩みの原因になっているケースもあります。
また、間違った握り方がクセになっている場合、「握り方を少し変えるだけでも」最初は違和感が強く、慣れるまでに時間がかかることも少なくありません。
だからこそ、早い段階でしっかりとした握り方を身につけることが大切です。
キレダスのブログやYouTubeでも繰り返し伝えているように、「握れているかどうか」は軽視されがちですが、上達を左右する非常に重要なポイントです。
まずはフォームを見る前に、「ちゃんと握れているか?」をぜひチェックしてみてください。
2.ボールの回転をイメージできる子
【ボールの回転がイメージできている】ことは、投球の質を大きく左右する重要な要素です。

そして球質はスピードやコントロールに大きく影響してきます。
回転を「見える」「感じられる」感覚がある選手は、リリースやフォームのズレに早く気づくことができ、修正のスピードも早まります。
何より、コントロール=ボールの回転は軌道や球質にも直結しており、同じ力で投げても“回転が安定しているかどうか”で結果はまるで変わってきます。
しかし、回転の意識が薄い選手の多くは、そもそも“握り方”を軽視している傾向があります。
正しく握れていないと、回転は不安定になり、感覚と結果のズレにも気づきにくくなってしまいます。
とくに軟球は縫い目が白く、ボールの回転が目視しづらいこともあり、小中学生にとって回転を意識すること自体が難しいという現実もあります。

それでも、上達の早い選手ほど握り方を重視し、「今のはいい回転だった」「少し抜けた」などといった投球後の感覚と結果を結びつけようとしています。
個人レッスンやキレダスの体験会なども通して、この“感覚と言葉”の連動は、成長する選手に共通する特徴です。
ボールの回転を見る意識を持つことは、投球の精度を確実に上げる近道です。
回転を感じる習慣が、フォームやリリースの安定につながり、レベルアップを一気に加速させます。
3.自分のリリースポイントを知っている子p
【自分のリリースポイントが表現できる】選手は将来的に大きく伸びる可能性を秘めています。
「自分はこんなフォームで、ここでボールを離したい」
そんなイメージが持てる選手は、たとえまだ体力や技術が未完成でも、フォームの完成度は効率よく確実に高めることができます。

リリースとは、ボールが手から離れる“最終出口”のこと。ここが安定すれば、投げるボールの質も安定します。
ボールが握れていなかたり、リリースが毎回ズレてしまうと、球速もコントロールも不安定になり、「良い球」と「悪い球」の差が大きくなります。
再現性を高めることが未だ出来ていないくても、リリースポイントを意識できる選手は、ボールに力を正しく伝える感覚にも優れ、再現性の高い投球が可能になります。
さらに、「いまは少し前だった」「抜けた気がする」など、自分の投げた感覚を言葉にできるようになると、フォームの修正力も飛躍的に向上します。
これは間違いなく“上達する選手”に共通する力です。
指導者が「今どこでリリースした?」と問いかける!
そんなやり取りを多くしてあげるだけでも、選手の意識は大きく変わります。
まずは「どこでボールを離したいのか」をイメージできるか?!
リリースを言葉にできる力は、野球の上達を加速させる鍵になります。
4.ステップ足のコントロールができる子
【ステップ足の着地位置や、歩幅をコントロールができる】ことは、フォーム全体の安定性を高めるために非常に重要なポイントです。
ステップ足とは、投球・送球時に踏み出す前足のことで体重移動の基礎的な部分にもなります。
この足の着地位置やタイミングを意識できるかどうかで、まずコントロールが大きく変わります。
理想は、ステップ足のつま先と膝がキャッチャー方向など目標に対してしっかり向いていること。


もう少し欲張ると地面を「踏む感覚」がしっかり持てると片足になっても安定感をキープできます。
このステップ足の感覚がある選手は、体の軸もブレにくく、自然と下半身主導のスムーズな投球動作へとつながっていきます。
逆に、ステップ足が目標方向からズレたり、内側(インステップ)に入りすぎてしまったりすると、フォーム全体が崩れやすくなり、リリースやコントロールにも悪影響を及ぼします。

小・中学生に関わらず意外と多いインステップしてしまう傾向ですが注意が必要です。
上半身の捻りやなどの大きな動作が余計に出てしまう為、コントロールが不安定になったり、体への負担も大きくなります。
無理に大きく歩幅を広げる必要もないので、安定する歩幅で投げることもオススメします。
ステップ足の動きはボールの握りと同じくらい見落とされがちですが、フォームの土台となる非常に重要なポイントです。
「ステップ足がどこに向いているか?」
「どこに着地しているか?」
意識するだけでも、投球の精度や安定感はぐっと高くなります。
最初は鏡や動画を活用しながら、足の向きや動きをチェックしてあげるのもオススメです。
5.まとめ
投球・送球が上達しやすい子には紹介した
「ボールの握り」
「ボールの回転」
「リリースポイント」
「ステップ足」
この4つのポイントの重要性を理解していたり、改善する意識を強く持っています。
いずれも、特別な野球センスや運動神経ではなく、フォームや感覚に対して“意識を持てるかどうか”や”基礎的な練習”繰り返し継続することで身に付けることが可能です。
基礎が安定すると、上達スピードに大きく左右します。
また指導者は最初にどこを見るかで、その子の可能性を大きく広げることができます。
ハイレベルな選手の真似をすることは否定しませんが、プロ野球選手の高度なスキルや練習など基礎を見落としていたり、まったく出来ていない現状であれば注意して取り入れる必要があります。
お伝えした投球・送球の基礎を見落としていた、軽視していた選手ほどこの4つのポイントを一緒に見直してみてください。
個人差は必ずありますが、お伝えした事がある程度出来ている選手は間違いなく次のステップ、応用した練習などに取り組みやすくなります。